ネクロコのブログ

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Vtuberの面白さとは

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ここ半年近く、身近にはまった人間がいたのでなんとなくVtuberを見ていた。

 

深追いすることも無く見続けただけだが、「Vtuberコンテンツはエンタメとしてぬるく見える」というのが一番の印象である。

別に娯楽としてのコンテンツ、面白さとしてトップを狙っている訳ではないだろう。

ただかわいい(かっこいい)キャラクターが ゲームなりおしゃべりなりしているのを楽しむ、というのは他のエンタメと比較し内容も濃いとは言えない。またゲームの大会や企画をやっていてもその面白さはゲームをプレイしない人間には伝わりにくい、という点もある。

この記事ではVtuberの今のあり方と今後の可能性について書いてみようと思う。

 

界隈に言われることに対しての地雷が多い人は閲覧非推奨だ、Vtuberファンがこの過疎サイトを見ていたらの話ではあるが。

(もしVtuberファンの方がいるなら、私が「今の状況はおかしい」「こうなるべきだ」と語っているのではなく、「ここがもったいない」「こうなったら面白いのではないか」という考えを述べているだけだということを留意してほしい。

当然反対意見の人もいるだろうが、私は討論がしたくて記事をあげるわけではないためそのような感想は一切受け付けない。)

 

  • そもそも主な活動内容がゲーム、歌、雑談に偏っている人が多い。むしろこの3つ以外をやっているVtuberは稀である。

→リアルのyoutuberよりもやっていることが狭い。確かにyoutuberのように実験動画や検証動画は出しづらいかもしれないが、2次元だからこそ出来ることはもっとあるのではないか。例えば背景を変えて一瞬で別の場所に移動できるのも、リアルでは出来ない表現が可能なのも2次元の強みではないのか。Vtuberをやっている人間自体が強みを持て余しているように感じる。

 

  • 活動に関して

 

喋りは芸人ほど面白くない。

ゲームの腕は本当にうまい人と比べたらそうでもない。

 

当たり前ではあるがどっちつかずの人が大半を占めているように感じる。ゲーム実況は大多数のVtuberが行っているが、そもそも「ゲーム実況」という枠組みの中で実力や魅力を発揮できるのは一握りの人だけなのではと思う。

既存のパイがある意味youtuberよりも狭いからこそ埋もれている節は大きいのではないかと感じる。

 

というより、ほぼ大半と言ってよいくらいのVtuberがゲーム実況をしているのに、トップのyoutube実況者と比較すると登録者や認知度が落ちるのはどういうことなのだろうか。

リアルの人間と比較すると色々と劣っている、ということなのだろうか。

 

  • キャラクター性に関して

 

Vtuberの特徴に「キャラクターである」という要素は大きい。

ではそのキャラクターを活かせている人はどのくらいいるのだろうか。

これは前述の「2次元であることを持て余している人が多い」という事にも繋がるが、「リアル実況者と比較し実力や面白さは劣るかもしれないが、それでもかわいいキャラクターが操作をしているのは1番魅力的だ」と感じる人間しか主に来ない、という事にも繋がるかもしれない。

 

でも本当にキャラクターに惚れている人間はそこまでキャラクターのゲーム実況を見たがっているのか。

そして実況に惹かれている人間は実況者がキャラクターであることにそこまで価値を感じているのか。

 

 

 

キャラクターはかわいい。

リアルな人間のバストアップ画像を見続けるのは人によってはきついかもしれないが、単調なキャラクター画像でも見続けていられるのはキャラクターには生々しさが弱いこと、いつどこのシーンでも整った姿でいてくれるという要素が大きいように思う。

これはキャラクターが人間のマイナス要素を減らしてくれてる、2次元ならではの恩恵だろう。

しかしこれは「人間と比較しマシ」という要素であって「配信の面白さ」に結びついている訳ではない。

むしろ「キャラクターを使って何をするのか」という考えが人気を取ろうとするなら必要だろう。

 

  • 「作業用」という文化

 

ゲーム実況でも雑談でも、Vtuberのメインコンテンツには「作業用」と称してながらにおすすめですよ、とPRしているものを多く見かける。

これは自身のコンテンツを「ずっと見ていなくてもいい」「聴いていれば何となく分かる」と言っているのとほぼ同じように感じる。

ここには「キャラクターであるメリット」が視覚的な面で無くなり、youtubeの「視覚」という大きな要素がはぎとられることとなる。

もしここで「キャラクター」という設定を活かさなければ、これは「芸人のラジオ」「実況者のラジオ」を聞いているのとほぼ同じ状態と言えるかもしれない。

では、喋りで芸人や実況者に張り合えるようなVtuberはどれくらいいるのだろうか。

 

 

 

 

 

現状Vtuberは活動領域が狭く、youtubeを基軸に活動していてもyoutuberにすら張り合えていないのが現状だろう。同じプラットフォームで活動しているのに、別ジャンルのファンを引っ張って来れないのはもったいないと思う。

そもそもキャラクターコンテンツに興味ある層にしか言及できていないように感じる。そして本当にキャラクターが好きな人はそこまで実況を求めているのか、という疑問もある。ゲームも2次元キャラクターもどっちも好き、という人間の中でVtuberを楽しめる人達がファン層として大きいのではないかと思う。

 

 

  • 横の繋がり

 

 

Vtuberには「コラボ」文化がyoutuberよりももっと大きく根付いてるように見受けられる。

デビューしてからコラボなしで活動している人はだいぶ限られるだろう。配信した動画の中で半分以上は誰かとのコラボ配信だった、ということはざらにある。

新規のファンはそのようなチャンネルを見てどれだけ食いつくだろうか。もちろん全てがそうだとは言わないが、コラボは「友達と遊びたい」という演者側の気持ちが大きいものも多く見える。

実際コラボで大きくバズった人はVtuberの割合としてどのくらいいるのだろうか。

 

 

 

 

MMDというキャラクター文化をご存じだろうか。CGの2次元キャラを動かせ、曲に合わせたダンスのPVなどを作れる、というものである。

Vtuberが生まれるよりも前にあった、「リアルより」のキャラクターを楽しめるコンテンツである。

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大きな違いは「動きの部分を実際の人間が行っているか」否かにあるだろう。

 

今日のVtuberの3Dライブ配信などを見ると、いかにMMDに近いものを作るか、ということを意識しているように思える。

 

しかし、Vtuberのライブを既存コンテンツのMMDに近づけることにどれほどの意味があるのか分からない。

「技術が上がっている」という話題に関しても、制作者が目指しているのはMMDと変わらないようなコンテンツを届けることなのだろうかと考えてしまう。

「中に人がいる」ということで凄さが伝わるのなら、それが伝わらなかった時に、MMDを見る視線と全く同じものをVtuberは注がれることとなる。

見た目は同じでもオチを知って新たに感動できる要素とVtuberがともにあるのなら、それはある種哲学的な話になるだろう。

 

 まとめると、

VtuberはYoutuberよりも、そもそも提供しているコンテンツが少ない。

Vtuberの多くがやっているゲーム実況も、実況者と比較すると数字、知名度や面白さが見劣りしてしまうものが多い。

自身が2次元だということを生かして配信している人が少ない。

コラボ文化を生かせている人は多くない。

「作業用」という聴覚重視のコンテンツで、芸人のラジオやアーティストのプレイリストに勝てるような人はまれ。

3D技術が既存のMMD文化と似ていることにより、新しい技術なのに新しさが感じられない。

 

もったいないと思う点が多く挙がった。

当然Vtuberは数字を追い求めず楽しくやっている人も多いだろう。しかし投稿、配信頻度も多く内容も工夫し頑張っている人も沢山いるのに登録者100万人越えは現在3人。200万に絞れば1人だ。

実況者との比較にしても、私は必ずしもyoutuberに劣っているとは思わないが、結局Vtuberのやっていることがyoutuberの後追い(に見える)なのでいまいち目立てていないような気がした。

でも、上記の点が変わったならば新たなファンも増えるのではと感じた。

しかし、ここまで考えてみるとある思いが生まれた。

「もしかしたらVtuber界隈は、そこまで新規ファンなんて求めてないのかもしれない。」

そもそも、今までyoutubeファンにしろ何にしろ、Vtuberのすそ野を広げる方法も丁度よいタイミングも山ほどあったのである。

しかし全体的の流れを見ると特に何もせず、事務所の相次ぐ撤退などで界隈が衰退しているように見える部分があっても、そもそもの注目度が以前より下がっても外部への働きかけはほぼ無かったように思う。

次はなぜファン増員に消極的だと感じさせるのか、また別の点から書いていきたいと思う。